2025年 10月 24日TRAVELING FOR ART
A HOLE WITHIN A HOLE WITHIN A HOLE
天王洲アイルにあるギャラリー、ANOMALYにて、Chim↑Pom from Smappa!Groupの個展「穴の中の穴の中の穴」が開催されています。
Chim↑Pom from Smappa!Groupは、現代社会のリアルに全力で介入し、ユーモラスでありながら切迫感を帯びたプロジェクトを実践、作品を制作・発表している、日本を代表するアーティスト・コレクティヴです。
彼らの活動は単なる批判や風刺にとどまらず、社会が周縁化してきた領域に批評的視線を向け、不可視化されたものに焦点を当てます。
この展覧会、「穴の中の穴の中の穴」は、都市のインフラに口を開けるマンホールや下水の穴といった多層的な「穴」と、宇宙デブリなどの「屑や瓦礫」を主題にしています。
「穴」がしばしば「奈落」のメタファーとして機能してきたこと、また惑星都市理論において都市が送電線やパイプライン(チューブ≒穴)によって結ばれていること、それを宇宙デブリなどの廃棄物と重ね合わせて捉えることは、これまでの彼らの実践の延長線上に位置づけることができます。
それは規模や次元の異なる対象を横断的に取り上げつつ、いずれも「残骸」「欠如」「不可視」といった概念において重なり合うものです。
こうした広義の「穴」や「不可視なもの」に着目することは、私たちが切り捨て、忘却し、あるいは直視しないよう努めてきた事物や空間であり、なおかつ社会を規定してきたものを批評的に再配置する行為であり、環境問題やゴミ問題が深刻な現在、顕にすべきものでもあります。
この展覧会は、Chim↑Pom from Smappa!Groupの実践を通じて、「不要」や「欠如」、「不可視」が孕む想像力のポテンシャルを批評的に提示するものです。







