2025年 11月 23日TRAVELING FOR ART
AKI SASAMOTO
清澄白河にある東京都現代美術館にて笹本晃の展覧会「ラボラトリー」が開催されています。
この展覧会は、ニューヨークを拠点に、造形表現とパフォーマンス・アートを往還しながら活動を重ねてきたアーティスト、笹本晃の約20年におよぶ仕事を紹介し、そのテーマや手法の変遷をたどる初めてのミッドキャリア個展です。
笹本晃は、2000年代半ばより、パフォーマンス、ダンス、インスタレーション、映像など、自身のアイディアを伝えるのに必要なメディアを横断的に用いた作品を手掛けてきました。
自ら設計・構成した彫刻/装置/造形物を空間に配してインスタレーションを創り出し、その中で自身がその環境の構成要素の一つとなって即興的なパフォーマンスを行うスタイルで広く知られています。
日常的な所作や行為に、私小説的なエピソードを絡めた軽妙な語りを巧みに組み合わせつつ、初期作品では、癖や習慣、行動パターンなどの分析から個人のパーソナリティの有り様を考察し、また近年は、気象や動植物の生態などを観察の対象として、作品構造やナラティヴ(物語)に採り入れています。
緻密に設計されたそれぞれの造形物は、そうした語りを際立てる道具であるだけでなく、即興的なパフォーマンスの思いがけない展開を誘発するスコア(譜面)となります。
また、展示会期中に複数回行われるパフォーマンスの前後には、空間はインスタレーションとして鑑賞されます。






