DOSE THE FUTUR SLEEP HERE?

上野にある国立西洋美術館にて企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」が開催されました。

この展覧会は、国立西洋美術館においてはじめて「現代美術」を大々的に展示する機会となり、現在の日本で実験的な制作活動をしている、さまざまな世代の20を超えるアーティストたちの作品が集いました。

今まで主に20世紀前半までの「西洋美術」だけを収蔵/保存/展示している国立西洋美術館には、いわゆる「現代美術」は存在しませんでした。

それは、過去を生きた、遠き異邦の死者の作品群のみが収められているともいえますが、1959年に松方コレクションを母体として開館した国立西洋美術館の成立前史の記憶を紐解いてみると、この美術館はむしろ、開館以後の時間を生きるアーティストらが所蔵品によって触発され、未来の芸術をつくってゆける刺激の場になってほしいという想いを託されながらに建てられたということができます。

しかし、国立西洋美術館がそうした「未来の芸術」を産み育てる土壌となりえてきたのかどうかは、これまで問われていませんでした。

はたして、国立西洋美術館は、そのような「未来の世界が眠る部屋」となってきたでしょうか。

この展覧会は、国立西洋美術館は、そのような「未来の世界が眠る部屋」となってきたのかを多様なアーティストたちにその問いを投げかけ、作品をつうじて応答してもらう形で実現したユニークかつ斬新な展覧会でした。

NMWA