2026年 10月 06日TRAVELING FOR ART
EIJI UEMATSU HINAKO MIYABAYASHI
北参道にあるギャラリー、Gallery 38にて二人展「植松 永次 | 宮林 妃奈子」が開催されています。
1949年生まれの植松永次と、1997年生まれの宮林妃奈子という異なる世代に生まれ、それぞれ陶と絵画を主な表現媒体としてきた二人には、素材を一方的に形づくるのではなく、その性質に呼応しながら作品のあり方を探るという共通の姿勢があります。
植松永次は1970年代初頭より、半世紀以上にわたって土と向き合い続けてきました。
その作品には、流動する泥の軌跡や、焼成によって刻まれる亀裂や歪み、素材が本来持つ質感が色濃く残されています。
技法や概念に縛られることなく、土が語りかけてくるものに応答する、そうした制作姿勢が作品に宿っています。
自らの表現を土に刻み込むのではなく、そのなかにすでに存在する美しさや、自然の本質的なあり方を掬い上げること。
植松永次の作品には、長い時間の蓄積や、日常のなかで見落とされている風景の気配が残されています。
宮林 妃奈子は2025年からベルリンに滞在し、新たな環境のなかで絵画と向き合っています。
この展覧会で発表している新作では、これまでの制作を引き継ぎながらも絵画を壁から離すという試みに取り組んでいます。
宮林 妃奈子が考えているのは、「壁に掛けられた絵」ではなく、その場所に「絵がある」とはどのようなことか、という問いです。
画面の内部に描かれる二次元的な空間と、支持体に厚みを与え、壁からせり出させることで生まれる物理的な奥行き。
その二つが重なることで、絵画は側面や影、壁と絵の間を含む存在として現れます。
見る位置によって画面の印象が変化するなかで、大きな絵と小さな絵のそれぞれが可能にすることを確かめながら、絵画と身体、壁、展示空間との関係を探っています。










