GENSHO SUGAWARA

神宮前にあるEUKARYOTEにて菅原玄奨による個展「湿った壁」が開催されました。

昨年から菅原玄奨はFRPを主な素材とする従来の制作の傍ら、作陶に用いられる粘土を新たな素材として、素焼き=テラコッタでの表現に取り組んできました。

それは菅原自身の原初的な体験をもとに、粘土の触覚的な要素と、作品が成り立つプロセスを可視化することで、彫刻の表面性を再考する試みとなっています。

これまで消費的な社会で生きる現代人の姿を工業製品で用いられるFRPによって形づくり、移ろい続ける表層や実態の不確かさを表してきた菅原玄奨にとって、この展覧会はより彫刻の根幹へと歩みを進める転換点とも言えるでしょう。

EUKARYOTE