HAPPY SPRING

六本木にある森美術館にてアーティスト・コレクティブChim↑Pomの大規模な展覧会「HAPPY SPRING」が5月29日まで開催されています。

Chim↑Pomは独創的なアイデアと卓越した行動力で社会に介入し、意表を突く数々のプロジェクトを手掛けてきました。

作品の主題は都市、消費主義、飽食と貧困、日本社会、原爆、震災、スター像、メディア、境界、公共性など多岐にわたり、現代社会の事象や諸問題に対するメッセージ性の強い作品でありながら、その多くにはユーモアや皮肉も感じられます。

現在、コロナ禍において顕在化している、感染症や疫病患者に対する差別や偏見、また汚染や境界といった社会問題についてChim↑Pomは、それらを予見するかのよな作品も発表してきました。

この展覧会では結成17周年を迎えるChim↑Pomの初期から近年までの代表作と本展のための新作計約150点を一挙に紹介する初の本格的回顧展です。

展覧会のサブタイトル「ハッピースプリング」には、長引くコロナ禍においても明るい春が来ることを望み、たとえ待ちわびた春が逆境のさなかにあっても想像力を持ち続けたいというChim↑Pomのメッセージが込められています。

先行きが不透明な今日、既成概念を打ち破る彼らの力強い作品は見るものの想像力を刺激し共により良い未来を考える道標となるでしょう。

MORI MUSEUM