2025年 5月 21日TRAVELING FOR ART
INOSUKE HAZAMA
京橋にあるARTIZON MUSEUMにて硲伊之助展が開催されています。
硲伊之助は、フュウザン会や二科会で若い頃より注目された画家でした。
一時は文化学院や東京藝術大学で後進の絵画指導にあたり、晩年は色絵磁器の創作に熱意をもって取り組みます。
制作活動のかたわら、クールベやゴッホなどの画集の編集や、『ゴッホの手紙』の翻訳に携わるなど西洋美術の紹介にも尽力した他、1951年に開催された師マティスの日本ではじめての展覧会の実現にむけて作家との交渉に携わる実務家としての一面もあわせもっていました。
さらに、裕福な出自をもつ硲伊之助が自身の研究のために収集した作品の一部である、マティスやルソーの作品は、現在石橋財団に収蔵されており、当館にとってゆかりの深い作家の一人でもあります。
この展覧会では、油彩画、版画、磁器などの作品と資料83点、硲伊之助と関わりのあるARTIZON MUSEUMの西洋絵画コレクション17点、あわせて100点が展示され、硲伊之助の多様な側面を紹介する東京で初めて開催される回顧展です。