KAZUYO KINOSHITA

大阪にある中之島美術館にて木下佳通代の展覧会が開催されています。

神戸に生まれ、関西を拠点に活動した作家、木下佳通代の個展が開催されるのは、日本国内の美術館で初めてとなります。

 

木下佳通代の作家としてのキャリアは、60年代、前衛美術の集団「グループ〈位〉」の活動に携わったことから始まります。

そして、70年代には、写真を用いながら、イメージと知覚、物質の関係を考察する作品を数多く手がけました。

その極めて理知的なアプローチは、同時代のコンセプチュアル・アートの世界的潮流と呼応しており、ヨーロッパでも高く評価されます。

80年代には、抽象絵画へと表現の軸足を移しますが、一筆ごとに、自らの感覚を鋭く問いながら作り出された絵画は高い緊張感を備えており、彼女の表現の集大成とも呼べるものです。

 

この展覧会は過去最大規模の木下佳通代の個展となり、ごく初期の作品から、代表作、そして絶筆にいたる活動を一堂に紹介し、今あらためてその表現の全貌に迫っています。

NAKKA