KENRYON GU

六本木にあるギャラリー、Yumiko Chiba Associatesにて、顧剣亨個展「Dimensions Unseen」が開催されています。

1994年京都生まれ、上海育ちの顧剣亨は、京都芸術大学とフランスのアルル国立高等写真美術学校で現代美術と写真を学んだあと、作家活動を開始しました。

顧剣亨は昨年、金沢21世紀美術館において、同館が若手作家を中心とした作家を紹介する展覧会シリーズ「アペルト」で個展「顧剣亨 陰/残像」を開催するなど、気鋭の作家として注目を集めています。

顧剣亨は、複数の写真画像をピクセル単位で分解し、画面上の操作により、それら複数の写真を編み込むようにして結合する「デジタルウィービング」と呼ぶ手法による写真作品を発表してきました。
今回の新作個展では、顧剣亨がアイスランドを訪れた際に出会った石をもとにした作品が発表されています。

顧剣亨は、石の位置の座標をもとに、世界各地の友人たち16人に石の座標を送り、それぞれの居る場所から石に向かって写真を撮ることを依頼しました。

その後、撮影された16のイメージは、「デジタルウィービング」によって編み込まれました。

この展覧会では、この写真のほか、顧剣亨が撮影した石の写真や地図などによって構成されています。

球体をした地球の実際と平面に配置された地図の座標とのズレをはらみながら産出される複数のイメージの断片は、画像に「デジタルウィービング」を施す作業によってひとつの平面上に結合されることになります。

ひとつの石から世界を知覚し、認識することを通して、写真表現の可能性を拡張しようとする新作個展です。

YUMIKO CHIBA ASSOCIATES