LES COULEURS EN JEU

銀座にあるエルメス・フォーラムにてジュリオ・ル・パルクの日本での初個展となる「Les Couleurs en Jeu ル・パルクの色 遊びと企て」が開催されています。

1928年、アルゼンチンに生まのル・パルクは、1958年にフランスへの移住以降、同地を拠点に制作を続けるアーティストです。

ピート・モンドリアンやロシア構成主義に大きな影響を受け、幾何学的な抽象画の制作を始めます。

1960年代には、ヴィクトル・ヴァザルリの作品への共鳴や、視覚芸術探求グループ(GRAV)をオラシオ・ガルシア = ロッシ、フランソワ・モルレ、フランシスコ・ソブリノ、ジョエル・スタイン、イヴァラルとともに結成するなど、アーティスト同士の協働による活動も並行して推進します。

GRAVは、視覚的錯覚あるいは動力を用いたキネティック・アートや公共の場における観客参加を促す作品を通じて、従来の美術作品の枠組みや鑑賞方法を覆すような体験を社会に提案しました。

当時の革命的な時代の熱気の中、ル・パルクも政治的な運動にも身を投じながら、芸術が限られた人々のみに享受されることや鑑賞者が受動的な立場にとどまることに疑問を投げかけ、視覚的遊びやゲームの要素を用いることで、誰もが平等に芸術に参加してほしいという願望を形にしていったのです。

92歳となる現在も精力的に制作を続けるル・パルクの作品との出会いを楽しめる展覧会となっています。

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