LIONEL ESTEVE

六本木にあるギャラリー、ペロタン東京にて、フランス人アーティスト、リオネル・エステーヴの日本初となる個展「日に潜み、夜に現る」が開催されています。

 

この展覧会では、布地に描いたドローイングと石を用いた立体作品という2種の作品群が発表されていますが、自然のなかで集めてきた石と、おそらくアトリエにあったであろう銅のフィラメントという身近な素材を用いて、リオネル・エステーヴが拘りをもつ「シンプルで直接的なジェスチャー」を加えた作品となっています。

壁面に並ぶ、花火を想起させるような複数のイメージが星空の断片だとすると、床に配置された大小異なる石の組合せは地球の大地とそこで生きる人間などを象徴するのでしょうか。

また、石を組み合わせる、いわゆる「積石」の類は、自然の神々への供え物のようにも見え、原始自然信仰やものづくりの原型、自然の循環なども想起させます。

石や布切れ、廃材など普通ならあまり注目されないような素材を使って手作業によって繊細な作品を作り出すリオネル・エステーヴの独特な感受性からなる作品は鑑賞者に静かに染み込んでくるような魅力を持っています。

PERROTIN