MASARU BANDOU

東銀座にあるメグミオギタギャラリーにて、板東優展が開催されました。

板東優展は1972年から74年にかけて東京造形大学に在籍し、その後イタリアへ渡航し、ローマアカデミア エミリオ・グレコ教室に在学しました。

そしてイタリア、アメリカ、日本を拠点に芸術家として活躍し続けています。

板東優は線描を通して、物がその空間にどう存在するかを認識する際、縦の線は「時間」を表すと考えています。

日本美術に大いに影響を受けた板東優にとって、これは歌川広重の雨の描写に見られるような東洋的な視覚表現と言えます。

また、数十年以上、毎朝外に出て、夜明けと共に自然がその輪郭を露にしていく様子を画面に描き留めてきた板東優の姿は、刻々と変化する眼前の世界の一瞬を捉えようとした、印象主義画家のそれとも重なります。

この展覧会では1970年代を過ごしたローマから、ブルックリン、北海道の木野へと拠点を移して制作された人物画を中心に、立体の小品、ブロンズ、陶器などが展示されました。

MEGUMI OGITA GALLERY