2024年 7月 29日TRAVELING FOR ART
NANA FUNO
小山登美夫ギャラリー天王洲にて、風能奈々展「このために生まれた」が開催されました。
この個展では、新たな展開を見せる新作ペインティングが発表されました。
風能奈々は自らの生活での体験や感覚、感情を、新たな物語世界に昇華させるように緻密に大胆に作品に展開します。
繊細な筆致で高い密度のマチエールを絡み合わせた画面は、まるで磁器や彫金を思わせるかのような光沢と、刺繍や織物のような重層感があり、それがアクリル絵具のみで生み出されていることに驚かされます。今回、今までのモノトーンの色調でモチーフをゆっくり深く重ねる描き方から作品は変容を遂げました。
黄、青、緑などの色を大胆に試し、ひとつの絵を呼び水に次の絵のイメージが湧くなど、感覚にダイレクトに夢中に絵を描く喜びに立ち返ったのです。
それは、新しい家族ができ、子供が誕生し、猫が亡くなり、愛する存在との日々とその過ぎた時間さえもいとおしい、ささいな日常の美しさが風能奈々に新たな視野と大きな変化をもたらしたからだといえるでしょう。