2023年 8月 04日TRAVELING FOR ART
NUZU
神宮前にあるギャラリー、MAHO KUBOTA GALLERY にて高橋知裕の個展「NUZU」が開催されています。
高橋知裕は京都にスタジオを構える26歳の若手作家ですが、京都芸術大学在学中から国内外で作品を発表し、個性的な表現手法から気鋭のアーティストとして注目を集めています。
この展覧会は高橋知裕の東京では初めての個展となり新作絵画10数点が展示されています。
高橋知裕のスタジオには無数のぬいぐるみやプラスチックの人形が集められています。
作品の制作を開始するにあたってアーティストはその中から一つ、あるいは複数の玩具を絵画世界の中の主役として選びます。
スタジオに用意された鮮やかな色画用紙で書き割りの舞台のようなシンプルな背景を作り、選んだ玩具をまるで舞台の上に役者を立たせるかのように配置するのです。
こうして構築した演劇空間のような光景を高橋知裕は忠実に絵画として描いてゆきます。
絵画の画面上には子供の落書きのような描線のドローイングが丁寧に描き加えられていきます。
これらの「落書き」は漫画におけるセリフのふきだしの形をしていることも多く、玩具の考えていることや心の声を想像させ、密やかなコミュニケーションの世界を想起させまるで作品にエネルギーや生命を吹き込んでいるように見えます。






