PRIMARY COLORS

天王洲アイルにあるギャラリー、KOSAKU KANECHIKAにて5月28日まで、舘鼻則孝展「PRIMARY COLORS」が開催されています。

この展覧会で舘鼻則孝は、色素を用いず光の反射によって生じる発色現象である「構造色」を発現させる、特殊なインクを用いた作品シリーズを初めて発表しています。

「構造色」とは、光の波長程度の微細構造によって生じる発色現象で、物質自体に色素がなくても、その微細な構造によって光が干渉・分光することで発色して見えるのです。

自然界ではモルフォ蝶やタマムシ、貝殻などの例が挙げられますがその鮮やかな色彩が特長です。

この「構造色」を用いた特殊なインクには、色素となる染料や顔料が含まれず、定着時にインク膜内に微細構造を形成する技術によって色が発現します。

今回、作品の制作に技術協力した富士フイルム株式会社の開発した「構造色インクジェット技術」は、デジタルデータを用いて意匠性に優れた加飾印刷を可能にします。

このような構造色を発現させるインクを用いたインクジェット技術は、世界的に革新的な新鋭技術であり、この展覧会で初めて公開されるものです。

KOSAKU KANECHIKA