RYO MATSUOKA

宮下パーク内にあるギャラリー、SAIにて、松岡亮の個展「誰かに愛されている空。 誰かを愛している空。 」が開催されました。 

松岡亮は90年代より路上や旅先などストリートでの活動を始め、90年代後半には様々なビルの屋上にのぼり紙を敷き詰め大空の下に描く「東京屋上」の連作や、ミュージシャンやライターなど他者と即興で行うライブペインティングなど、東京のストリートシーンにおいて先駆的な表現者として認知されました。

 2000年代以降も国内外で発表を続け、ファッションブランド「ヨウジヤマモト」とのコラボレーションをはじめ、「ジョイス·ホンコン」や「レクレルール·パリ」での展示も行いました。 

2020年に大阪にオープンしたLe Cafe Vや、2022年に全面リニューアルをしたルイ・ヴィトン池袋店に天井画を描くなど、その活動は様々なシーンを飛び越え幅を広げ続けています。

 

松岡亮の制作は、ペインティング、ドローイング、刺繍など様々なメディウムを用いますが、その表現は一貫して深い没入感の中で即興的に描かれます。 

「描く」ことへの根源的な喜びを感じるとともに、意識と無意識下を漂う行為の痕跡として作品の持つ純粋性が喚起されるようです。

 見るものは、抽象や具象、絵画や刺繍という様式の区分を超えて、まるで自然の中で木々が生え育つように、作品が自らの意志を持ち生まれてきたような感覚に駆られます。 

SAI