RYOKO KUMAKURA

清澄白河にあるギャラリーSatoko Oe Contemporaryにて、熊倉涼子の展覧会「Gemne」が開催されました。

「Gemne」は、「gene(遺伝子)」と「meme(文化的情報や価値観の伝播)」を組み合わせた作家による造語です。

この展覧会では、生物的な継承と文化的な継承が交差する地点から、現在の世界がどのように形づくられてきたのかを見つめ他作品が展示されました。

人間は長い時間をかけて世界を観察し、分類し、意味づけながら、その見え方そのものを更新してきました。


熊倉涼子が描く品種改良された動植物は、生物学的な変異の結果としてだけでなく、人間が何を望ましいとし、何を選び取り続けてきたのかという価値判断の痕跡として現れます。

しかしそれらは同時に、人間の意図から離れ、自律的に変化し続ける存在でもあります。

そこには選択と逸脱、継承と変異とが複雑に折り重なっています。


私たちの目の前にある世界は、人間による無数の選択の結果であると同時に、その選択から生じた逸脱や変容の蓄積によって成り立っているのです。

SATOKO OE CONTEMPORARY