2022年 5月 12日TRAVELING FOR ART
(un)real utopia
恵比寿にある東京都写真美術館で本城直季の展覧会(un)real utopiaが5月15日まで開催されています。
大判カメラの「アオリ」を利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる写真家の本城直季は生まれ育った場所や世界に不思議な違和感を覚え、この世界を知りたい、俯瞰したいという思いを原動力に制作を続けて来ました。
その作品はまるでミニチュアの世界のように見えて私たちにこの世界の実在と虚構を問いかけると同時に、被写体である「まち」や「ひと」に対する、作家のあたたかく愛おしげなまなざしを感じさせます。
今回が本城直季にとって初の大規模個展となりますが、木村伊兵衛賞を受賞した「small planet」シリーズをはじめ、アフリカのサバンナを切り取った初公開シリーズ「kenya」、東日本大震災発生から3ヶ月後の東北を写した「tohoku 311」シリーズ、などが展示されています。
また、オリンピックイヤーの東京を被写体とした作品はこの展覧会のために撮り下ろされた作品です。
未公開作を含む約200点を通して本城直季のこれまでの仕事を一挙に紹介するこの展覧会は写真家・本城直季の目を通して見る自らの“まち”の不思議を堪能できる展覧会となっています。