USHIO SHINOHARA

天王洲アイルのTERRADA ART COMPLEXにあるギャラリー、ANOMALYにて2022年1月15日まで篠原有司男の個展「吾輩のパンチがオーロラに炸裂!」が開催されています。

1932年東京生まれの篠原有司男は、東京藝術大学に在学中の1955年より読売アンデパンダン展への出品をはじめ1960年の第12回の読売アンデパンダン展では東野芳明に工藤哲巳、荒川修作と並び、「反芸術」と評されました。

新宿区百人町の磯村新の設計によるホワイトハウスを拠点に吉村益信、赤瀬川原平、荒川修作らと今や伝説となったネオ・ダダイズム・オルガナイザーズを結成、日本の前衛芸術の歴史に残る活動でした。

のちに篠原有司男の代表作のひとつとなる「ボクシング・ペインティング」も、1959年から1961年ごろの間、実験と実践が繰り返されました。

当初それは、屋外に広げた布に、墨汁を染み込ませ丸めた布を落とし跡をつける実験から始まり、グローブの代わりにボロ布を拳に巻きつけ、古い布や模造紙をキャンバス代わりに右から左へ墨汁のパンチを繰り返す、というアクションとして実践されました。
ロックフェラー3世基金の奨学金を得て1969年に渡米し以後2021年現在もニューヨークを活動拠点としています。

90歳を目前とした現在もダンボールを素材にしたモーターバイクの作品や、原色を大胆に使い大衆文化を描いた絵画、またボクシング・ペインティングなどのエネルギーに満ち溢れた作品を精力的に制作しています。

ANOMALY