WONDERMENT NOE AOKI / RITSUE MISHIMA

目黒にある東京都庭園美術館にて青木野枝と三嶋りつ恵による展覧会「そこに光が降りてくる」が開催されました。

この展覧会は、現代美術の第一線で活躍を続ける二人の作家、青木野枝と三嶋りつ惠が、美術館の各所に作品を配置し、新たな視点でアール・デコの装飾空間を照らし出す企画展でした。

青木野枝は鉄を用いて空間に線を描くような彫刻で表現の地平を切り拓き、三嶋りつ恵は無色透明のガラス作品を通して場のエネルギーを掬い取り光に変換してきました。

二人が使用する“鉄”と“ガラス”という素材は、悠久の時を経て今日に伝えられた自然の恵みであると同時に、会場である旧朝香宮邸を彩る装飾として、シャンデリアやレリーフ、扉上のタンパン等にも多用されています。

二人は幾度となくこの場所を訪れ、1930年代の装飾空間との対話を重ねて、この展覧会のために一期一会の展示プランを作り上げました。

ともに創作に火を用い、熱く輝く炎によって、素材に生命を吹き込んできた青木野枝と三嶋りつ惠。

そのプリミティブな力を宿したフォルムは、自然のもつエネルギーや循環を想起させ、見る者に驚きと気づきをもたらし、世界を新たな光で包み込みます。

TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM