2026年 3月 06日TRAVELING FOR ART
YU KUROSAKA
都立大学にあるギャラリー、KATSUYA SUSUKI GALLERYにて黒坂祐の個展「眩しさ」が開催されています。
この個展「眩しさ」は、黒坂祐が近年取り組んできた野外での観察とスケッチを基盤とした、絵画における「光の経験」を主題化する展覧会です。
黒坂祐の関心は、対象の形態や固有色を再現することではなく、光が物体や空間に作用することで生じる視覚的な揺らぎに向けられています。
晴れた日の木々や山々に現れる「眩しさ」は、単一の色として把握できるものではなく、複数の反射や混色、距離感の変化が重なり合うことで成立しています。
それらは固定された像として捉えられる以前の状態であり、見るという行為の只中でのみ感知されます。
黒坂祐は、この一過性の視覚体験を、観察と描写の反復によって絵画へと変換していきます。
そこでは主観的感情や象徴的意味づけは極力排され、視線と手の運動による直接的な応答が重視されます。
画面に現れる色彩や筆致は、対象を説明するための要素ではなく、光と空間がどのように知覚されたかを示す痕跡です。
黒坂祐の絵画は、風景を描きながらも、風景そのものより「見るという経験の成立条件」を可視化していると言えるでしょう。






