AKASHI TERAMOTO
大阪にあるギャラリー、N projectにて開催された寺本明志の個展「花の背を見るとき」からの作品紹介。
寺本明志は神奈川県出身で多摩美術大学大学院博士前期課程の絵画専攻油画研究領域を修了。
現在は相模原市のスタジオ「Art space Kaikas’」を拠点に作家として活動している。
寺本明志は絵画のみならず、過去にはインスタレーションにも取り組み、空間を意識した展示方法や画面構成を一貫して試み続けてきた。
これまで発表された作品のほとんどは「Patio(中庭)」と題され、外と内の境界のない場所に日常的な道具、人やもの、かつてみた景色の断片などの統一性のないものが等価に描き込まれている。
先に描いたものを足掛かりに次に描くものを考え、そこで起きる事象間に発生する関係性によって、一枚の絵画が紡がれていくのだ。
この展覧会は「花の背を見るとき」と題され、制作過程において即興的に立ち現れる事象の裏側、鑑賞者の視線からは見えない場所への好奇心と恐怖心を見定め、自身と絵画も対等であることを意識して描き出された近作が発表された。
Exhibitor / N PROJECT