DJORDJE OZBOLT

六本木にあるTARO NASUにて開催されたジョージェ・オズボルトの個展からの作品紹介。

ジョージェ・オズボルトは1967年、ユーゴスラビア生まれで、現在はロンドンを拠点に制作活動をしている。
セルビアにあるUniversity of Belgradeにて建築を学んだ後、NYに渡り、さらにロンドンに移住し2000年にロンドンにあるSlade School of Fine Artにて学士号を取得した。

携帯電話を操作するだけでありとあらゆる視覚情報が入手できてしまう現代において、「イメージ」という存在の位置付けもかつてないほどの揺れをみせている。

一枚の画像は、たとえば世界に拡散することでときにはひとつの国の政治すら左右する可能性をもつ強力な道具なのだと多くの人が気がついてしまった。

それと同時に画像のはらむ多義性や信憑性を疑問視することが必要だと警戒せざるを得ない時代でもある。ジョージェ・オズボルトは古今東西の描かれた絵画作品のイメージを分解して再構成する、いわばコラージュにも似た手法で独特の絵画世界を作り続けてきた。

インスピーレション源となるのは絵画のようなファインアートにかぎらず、商業デザインやファッション、音楽といった多様な文化からすくい上げた画像だ。

すべての作品に通底する歴史意識と風刺精神、ほの暗いユーモアは東欧の裕福な家庭に生まれながら、イギリス留学中に起こった祖国での革命によって故国喪失者となったことや、その後の世界放浪といった異文化遭遇の経験のなかで培われた「生き抜くための術」に起因するといえるかもしれない。

Exhibitor / TARONASU GALLERY

TARONASU GALLERY

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