EVIDENCE 1944-1994 RICHARD AVEDON
写真家リチャード・アヴェドンのウィットニー美術館での回顧展の時に刊行された写真集。初期から1990年代にかけての作品が解説やリストと共に紹介されている。リチャード・アヴェドンは1923年ニューヨーク生まれのファッョンフォトグラファーでありアーティストとしても高い評価を得た作家だ。デパートの広告写真からキャリアを始めて「ハーパース・バザー」誌のアートディレクターに認められて活躍を開始した。モデルに躍動感を求め動きや生々しい映画的な表現を用いたり大胆でグラフィカルなコラージュを駆使するなど当時のファッションフォトグラフィーの常識を打ち破る表現で知られる。オードリー.ヘップバーン主演の映画「パリの恋人」はアヴェドンがオープニングを制作して話題になった。数百人以上に上る世界中のセレブリティーのポートレイトも撮影していて1966年には「ヴォーグ」誌に移籍して更に活動を続けた。アーティストとしては放浪者、炭鉱夫などを撮影した「In The American West(アメリカ西部にて)」を発表し物議を醸し出したほかベトナム戦争やベルリンの壁破壊などを撮影するという社会派の一面もある。日本でも人気が高く宇多田ヒカルのCDジェケットを撮影したこともある。
Exhibitor / ARTRANDOM