HIRO SUGIYAMA
GINZA6の6階にある蔦屋書店に併設されるギャラリー、FOAM CONTEMPORARYにて開催されたアーティスト ヒロ杉山の個展「BLACK MOON」からの作品紹介。
ヒロ杉山は、自ら率いるグラフィック集団エンライトメントで数々のグラフィックイメージやビデオ作品などを制作してきたが、その一方でアーティストとしてファインアートの作品も制作してきた。
近年はピカソやマチス、ゴッホなどのマスター作家の作品をモチーフにそれらを黒く塗りつぶしたブラックペインティングシリーズを精力的に制作している。
見慣れたはずのマスターペインティングを黒くシルエット化して抽象度を上げることで、具象と抽象、既存のイメージと新たなイメージの境界を探る試みである。
作品の表面には筆致や絵の具による分厚いマチエールが生まれ、黒一色の中でも光と影によって元のイメージの色彩や形態を意識させるのだ。
「BLACK MOON」と題したこの展覧会では、シリーズとしては初の浮世絵作品のほか、セザンヌ、ピカソ、マティスをモチーフとした作品も展示された。
Exhibitor / FOAM CONTEMPORARY