JEAN MICHEL BASQUIAT
2019年に開催されたジャン・ミッシェル・バスキア展を前に雑誌PENが発刊したジャン・ミッシェル・バスキアの特集号「ニューヨークを揺さぶった天才画家、バスキアを見たか。」
ZOZOの創始者だった前澤氏がオークションで123億円という破格の値段でバスキア作品を競り落としたニュースはバスキアというアーティストを広く世に知らしめた。
そのバスキアの作品も含まれるこのバスキア展は今まで日本で開催されたバスキアの最大規模の展覧会だったがPENはこの展覧会を前に27歳でこの世を去った天才アーティストのバスキアを特集した。
ジャン・ミッシェル・バスキアはブルックリンの中流家庭に生まれ育ちアートを愛する母親に幼い頃から美術館などに連れて行かれたという。
バスキアは自身が敬愛した黒人アーティストのジミー・ヘンドリックスと同じ27歳で世を去ったが独学で絵画を学びストリートから現代アートのシーンにおよそ10年という短い活動期間で上り詰めた。
その短い作家人生で驚愕の1000点以上という数の作品を残し白人主導の現代アート界では初めてブラック・アーティストとして世界的な成功を収めたのだった。
この特集ではバスキアの出発点である1970年代後半にSAMO@の名前で活動したストリートのグラフィティー時代から80年代のニューヨークのクラブやアートのシーンを当時のキーとなる人々とともに紹介している。
バスキアを発掘したアートディーラーのアニナ・ノセイ、後にバスキアを扱ったアートディーラーのトニー・シャフラジやブルーノ・ビショフベルガーなどかなり詳しい相関図が面白い。
バスキアと同じ時代に輝いていたアーティストのフランチェスコ・クレメンテやジュリアン・シュナーベル、キース・ヘリング、ケニー・シャーフなども紹介されている。
そして最もバスキアと深い関係だったアンディー・ウォーホルとはお互いをいかに必要としたかなどの関係性も紹介されている。
バスキア作品に見られるジャズミュージックの影響や黒人差別への怒りなどバスキアの作品制作の原動力になった様々な要因を探っている。
また、絵画表現に見られる独特な人体への関心やレオナルド・ダヴィンチからの影響、またキヤンバスに描き込まれる見るものを圧倒する量の言葉や記号の数々などバスキア芸術の真髄を掘り下げている。
Exhibitor / ARTRANDOM