KODAI KITA
六本木にあるCLEAR GALLERY TOKYO にて開催された、来田広大の個展「Narrative Landscape」からの作品紹介。
CLEAR GALLERY TOKYOでの3年ぶりの個展となるこの展覧会では、来田広大が旅先で購入した古本に引かれていた線を起点に、新たに紡がれる物語とその風景を描いた新作の絵画作品が展示されました。
来田広大は国内外各地でのフィールドワークをもとに、絵画やインスタレーション、野外ドローイング、映像などの媒体で、身体的経験を通じた作品を制作しています。
幼少より登山に親しんできた来田広大は山をフィールドワークの対象にすることも多く、肉体的精神的にも過酷な状況下で見た風景と、その風景に内包される人間の営みや流れ行く時間を、作品を通して表現してきました。
稜線の先にある見えないけれど繋がっている場所に思いを馳せ、定着のしないチョークを主要な画材として、絵筆の他、掌や指で作品を描いていきます。
見えない風景への探求は、その場所で生活する人々や文化と自分との関わりを考察することでもあり、その普遍的な問題意識と共にフィールドワークをもとにした来田広大の実践は、人類学的思考とも交差していきます。
Exhibitor / CLEAR GALLERY