MASANORI TOMITA
駒込にあるギャラリー、KAYOKOYUKIにて3月20日まで開催されていた富田正宣による個展「ユーセン」からの作品紹介。
KAYOKOYUKIにての3回目この個展では新作絵画のほかに富田正宣が普段から収集している身の回りの些細なモチーフも合わせて展示された。
富田正宣の作品制作にはモチーフから得た風景を収集し記録して物語を紡ぐこととそれらを抽出しカンバスに描き留めていくという行為のすべてが同程度の強度をもって繰り返される。
目の覚めるような豊かなマチエールと複雑な色彩が特徴である富田正宣の絵画作品からは、確かに人の姿や手、風景、花、割れた食器まで、さまざまな具体的なイメージが浮かび上がってくる。
この個展で、絵画と併せて展示されている物語の断片やプラバンの小作品は、富田正宣という画家の思考をめぐるひとつの手がかりとなってくれるのだ。
Exhibitor / KAYOKOYUKI