MOTONAGA SADAMASA
表参道にあるギャラリー、ファーガス・マカフリー 東京にて開催されたアーティスト、元永定正の⽣誕 100 周年を記念した「さんかくまるしかく」展からの作品紹介。
「さんかくまるしかく」展では、1990 年から 99 年に かけて制作された作品 14 点が展示された。
漫画家としての訓練を積み、1940 年代後半に地元の雑誌や新聞など のイラストを描き⽣計を⽴てていた元永定正は、1955 年、具体美術協会へ 初期会員として参加する。
吉原治良、⽩髪⼀雄、村上三郎ら他の具体第⼀世代のアーティストたちとともに、第⼆次世界⼤戦後、実験的 な芸術、⾃由、個性の精神を打ち⽴てた。
1966 年から 67 年にかけてニューヨークのレ ジデンス・プログラムに参加したことによって、具体との距離感と考えるスペースを得た元永定正は、具体以前、具体初期時代の豊穣な制作態度に⽴ち戻るのだった。
初期の作品に⾒ られた擬⼈化された形を復活させ、エアブラシの技法を採⽤し、次第にストリート・カルチャーやアニメの美学をハイアートの領域へ と融合し始める。
しかし、元永定正の作品に政治的要素が加わることはなく、⼦供の絵 本、インタラクティブな公共の彫刻、パプリック・パフォーマン ス、美術教育を通じて、美術専⾨外の観客に芸術をダイレクトに届けようとする、開放的なアートという特別なジャンルに属して行った。
Exhibitor / Fergus McCaffrey