KEITA MIYAZAKI
神宮前にあるMAHO KUBOTA GALLERYにて開催された宮崎啓太の個展「そのことの相対性」からの作品紹介。
宮崎啓太はロンドンと東京郊外の2拠点で作品を制作し、作品の発表もロンドンと東京で行っている。
二つの大都市圏に制作拠点を構える宮崎啓太の彫刻は、古い自動車の排気系部品を組み上げた構造体に紙やフェルトなどの柔らかい素材を組み合わせて構成される。
作品を前にした時まず目を奪われるのは作品の骨組みとなるスクラップとなった自動車部品の流麗な重厚感だ。
スクラップとなった自動車部品を主素材とした彫刻作品といえば、すでに1950年代から60年代にかけセザールやチェンバレンの作品に代表されるようにことさら新しいものではない。
しかし、既製の大量生産品をアートとして提示するレディメイドというアプローチのこの二人のアーティストの影響は宮崎啓太の作品にはみられない。
むしろ宮崎啓太の作品にはセザールらとほぼ同世代のイギリスの現代彫刻を代表するアンソニー・カロ、そしてその後の世代であるリチャード・ディーコンと明らかな繋がりが見られる。
Exhibitor / MAHO KUBOTA GALLERY