NAOKI TOMITA
神宮前にあるMAHO KUBOTA GALLERYにて開催された富田直樹の作品展「ラストシーン」からの作品紹介。
約2年半ぶりとなるこの展覧会に向けた富田直樹の作品は殆どがアーティスト自身が撮影した写真をもとに忠実に描かれてる。
厚く塗り重ねられた油絵具の筆致によって変化はつけてあるものの抽象性には遠く、作品の成り立ちは非常に写真的である。
実直にあるがままを捉えるアプローチによって富田直樹は絵画を制作しているのだ。
現代のリアリズムというべきその卓越した手法は日本の現代アーティストによる具象絵画のどの傾向にも属していない。
富田直樹の作品が際立った印象を与えているのはその作品から溢れ出る類い稀な絵画が生み出しえる真の魅力にあるのである。
Exhibitor / MAHO KUBOTA GALLERY