RYUDAI TAKANO

恵比寿にある東京都写真美術館にて開催された総合開館30周年記念「鷹野隆大 カスババーこの日常を生きのびるためにー」からの作品紹介。

鷹野隆大は写真集『IN MY ROOM』で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在も国内外で活躍を続ける写真家、アーティストです。

鷹野隆大は『IN MY ROOM』に代表されるセクシュアリティをテーマとした作品と並行し、〈毎日写真〉や〈カスババ〉といった日常のスナップショットを手がけ、さらに東日本大震災以降、「影」を被写体とした写真の根源に迫るテーマにも取り組んでいます。

この展覧会のタイトルである〈カスババ〉とは鷹野隆大による造語で、カスのような場所(バ)の複数形です。

大規模な自然災害や感染症の世界的流行、経済発展による環境破壊や都市開発など、私たちは急速な時代の変化の渦中を生きています。

鷹野隆大は美しいものだけではない現実を受け入れ、弱いものもみにくいものもそのまま、むき出しのイメージを見る者へ提示します。

私たちは、身近でありながら目を凝らして見ることのない、自身が生きる日常の豊かさと混乱を、鷹野隆大の作品を通しあらためて目にするでしょう。

初公開作品を含め鷹野隆大の軌跡を概観するこの展覧会は、出口が見えなくなりつつあるこの日常を生きのびるヒントとなるかもしれません。

EXHIBITOR / TOP MUSEUM

TOP MUSEUM

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