SEIICHIRO KOSA
六本木にあるYutaka Kikutake Galleryにて開催された小左誠一郎の個展「百合圏」からの作品紹介。
○△□という簡素なモチーフ、あるいは「UPO(Unidentified Painting Object=未確認描画物体)」という独自の概念が制作の中心を成す小左誠一郎の抽象絵画は、自身とキャンバスとが対峙する時間を「試合」と呼ぶなど、ときに身体性を強く感じさせる世界観で表されてきた。
「百合圏」と題されたこの個展では、数種類のマスキングテープを用いて制作された新作絵画が発表された。
「描く」ことよりも「塗る」ことへとシフトしたという小左誠一郎の意識は、「塗った絵具の厚み分だけ世界に陰影を与える」という言葉で作家自身が表現するように、抽象度を増した絵画表現として大いに発展を遂げているようだ。
Exhibitor / YutakaKikutake Gallery