CHARLOTTE DUMAS

アートフェアやギャラリー巡りなどを紹介するTRAVELING FOR ART。今回は2020年の東京から。

銀座のエルメスの8階と9階にあるメゾンエルメスフォーラムにてシャルロット・デュマの個展「ベゾアール(結石)」が12月29日まで開催されています。写真家でありアーティストのシャルロット・デュマはアムステルダムを拠点に活動をしています。デュマは現代社会における動物と人との関係性をテーマに20年以上にわたって騎馬隊の馬や救助犬といった人間と密接な関係にある動物を被写体として様々なポートレイトを撮り続けてきました。

2014年には日本全国の在来馬も撮影しており北海道や長野など8カ所を巡り現在も撮影を続けています。

展覧会のタイトルにもなっている「ベゾアール」は動物の胃の中で形成される凝固物で古来からお守りになったり神秘的なものと思われてきたといいます。それは動物と共存してきた人間と動物の絆であり生と死という壮大で根源的な課題の片鱗のようです。

今回の展覧会では映像作品を中心に馬の写真はもちろん馬の埴輪や木馬など人間と動物が共存してきた歴史を体現する品々も展示されています。

我々は動物や植物と同じ自然の一部であり共存して生きてゆくしかないのですが埴輪や木馬などの品々は共存してきたという証でもあり繰り返されてきた生と死の儚さを語ってくれるようでもあります。

GINZA MAISON HERMES