ARATA ISOZAKI

広尾にあるMISA SHIN GALLERYにて、磯崎新の個展「Arata Isozaki: Form and Spirit」が開催されまています。

この展覧会では1970年代の代表作、群馬県立近代美術館から1990年代の水戸芸術館など、自身の設計した建築の基本コンセプトを抽象化し、視覚化したドローイングやシルクスクリーン作品を中心に展示されています。

建築物の完成形を逆にたどり、基本コンセプトを抽出することで現れるのは、「群馬県立近代美術館」の立方体、「北九州市立中央図書館」、「神岡町役場」にみられる円筒や半円筒、「北九州市立美術館」の直方体、「水戸芸術館」の正四面体などの抽象形態です。

磯崎新の「還元」シリーズは、建築における三次元的な内部空間や、人が介入することによって生まれる体験や見え方、周りの環境との呼応など、設計から完成後にわたって発生するさまざまな要素を削ぎ落とし、建築を建築家の手から生まれる瞬間のイメージに戻して視覚化することであり、また自身の仕事の再解釈でもるのです。

建築のみならず、思想、美術、デザイン、演劇などジャンルや時代を超えて、半世紀以上にわたり問題提起を生み出す磯崎新の活動の精神とその形を垣間見ることのできる展覧会となっています。

MISA SHIN GALLERY