DAISHIRO SHINJO

天王洲アイルにあるギャラリー、ANOMALYにて、新城大地郎の個展「赤」が開催されました。

新城大地郎は1992年、沖縄・宮古島生まれで、現在も宮古島を活動拠点としています。墨と筆を用いた伝統的な書をベースに、その枠を超えた作品で現代における書を追求する注目の若手アーティストです。

新城大地郎は民俗学者で禅僧の岡本恵昭を祖父に持ち、幼少期から仙涯や白隠の作品が身近にある環境で墨を使って自由に文字を書いていました。

大学で建築を学び、一度は建築設計に携わりますが、社会や自分に対する違和感から仕事を終えた後に自宅で書くという行為を続け、2017年に個展を開催し、本格的にアーティスト活動をスタートさせました。

支持体に黒い文字というシンプルな書の構成に基づきながら、太い線と点で解読ができないほど抽象化された文字は、画面の中でエネルギーを発してうごめくような有機的なかたちとなります。

独自の空気感を含んだその黒い存在は平面作品にも関わらずどこか彫刻的な印象を見るものに与えます。

この展覧会は新城大地郎のANOMALYでの初個展となり、近年に身近に連続して起こった出来事から生まれた、今しか生み出すことのできない「赤」*というテーマから制作した最新作のキャンバスと紙作品約25点が発表されました。

ANOMALY