DU KUN

市ヶ谷にあるミヅマアートギャラリーにて中国人アーティスト杜昆(Du Kun)の個展「七魄」が開催されました。 

杜昆は、4歳の頃から父親の影響で絵を描き始め、北京の中央美術学院油絵科を卒業しました。

現在、北京で活動する杜昆は、独創的で卓越した技法でその名を知られているアーティストです。

 杜昆は美術学院在学中にロックミュージシャンとしてプロデビューし、ミュージシャンとして、またアーティストとして、この2つの要素をいかに結合させるかを長い間熟考してきました。

 この新しい巻物絵画のシリーズは、一見すると自然の景観を描いた中国の伝統的な絵画様式である山水画に似ていますが、杜昆は巻物に描かれた山や建物、樹木などの風景を「音波」の形で描いています。

描かれた作品には、杜昆自身が作曲した音楽が付随しており、その音楽は巻物に描かれた音波と呼応してます。

つまり、それぞれの風景画には、その絵巻にしかないオリジナルの音楽が描き込まれているのです。
杜昆はこのオリジナルの音楽を、巻物上に風景画の形で視覚的に表現する方法を発見しました。

展覧会のタイトル「七魄」は、このシリーズのためにデザインし、手作りしたというオリジナル楽器から発せられる7つの音から名付けられました。

杜昆が「Seven Souls」と呼ぶこの楽器は、カリンバ、小古筝、テルミンなどの7種の楽器が1つになったものです。

この新しい風景画シリーズにおいて、「Seven Souls」を音源とし、その音波と音楽的要素を変換して、杜昆は音の波を巻物上に「描く」のです。

MIZUMA ART GALLERY