2025年 5月 08日TRAVELING FOR ART
EYES ON MEXICO
埼玉県立近代美術館にて企画展「メキシコへのまなざし」が開催されています。
1950年代の日本では、メキシコ美術が展覧会や雑誌を通じて盛んに紹介され、多くの美術家がその鮮やかな色彩、古代文明や革命の歴史と結びついた力強い造形表現に魅了されました。
とりわけ、1955年に東京国立博物館で開催された「メキシコ美術展」は、美術家たちがメキシコに目を向けるきっかけとなります。
一方、埼玉県立近代美術館は1982年の開館以来、メキシコの近現代美術を収集し、メキシコ美術に焦点をあてた展覧会をたびたび開催してきました。
こうした活動の背景には、埼玉県とメキシコ州との姉妹提携締結に加えて、1955年の「メキシコ美術展」を訪れ、メキシコ美術への造詣を深めていった初代館長・本間正義の存在がありました。
この展覧会では、1950年代にメキシコに惹かれた美術家の中から、福沢一郎、岡本太郎、利根山光人、芥川紗織、河原温の足跡をたどり、アーティスト達がメキシコをどのように捉えたのかを考えていきます。
また埼玉県立近代美術館のメキシコ美術コレクションとその形成の歩みを、学芸員としてメキシコ美術の普及に努めた本間正義の仕事とともに紹介されています。