FUMIKA TSUCHITORI

江戸川橋にあるギャラリー、WAITINGROOMにて、土取郁香の3年ぶり2回目となる個展『わたしを抱いてねむる・凪』が開催されました。

土取郁香は、2人の人物を描いた「I and You」、風景の中から色やかたちなどの要素を抽出した「a scene」の2つのシリーズの絵画制作を通して、特定の対象をかけがえなく思うことや、人と人、自分と自分などの間にある関係について考えをめぐらせてきました。

本展は、近年の「I and You」シリーズの変遷を地続きに見せるような新作個展となります。

このシリーズでは「わたしとあなた」という2者が描かれてきましたが、近年は、2者が融け合い、その線引きが曖昧になるような展開を見せています。

描かれた2者は「わたしとあなた」に限らず、「わたしとわたし」や「わたしと、わたしの思い込みの像を投影したあなた」、そして、絵画の歴史においても重要な要素である「わたしとその影」などの可能性を持ち始めました。

その変遷のきっかけとなったドローイング作品を中心に、「I and You」シリーズの現在地を表すような新作ペインティング作品8点前後がこの展覧会では展示されました。

WAITING ROOM