MAMI HIRANO

江戸川橋にあるMaki Fine Artsにて平野真美 個展「空想のレッスン」が開催されました。

平野真美は、病気で衰弱した愛犬の身体の大きさや骨格などを正確に再現した作品「保存と再現」や、亡くなった愛犬の遺骨が納められた骨壺をCTスキャンし、3Dプリンタで出力した遺骨を硝子や陶磁に作品化した「変身物語」などを発表してきました。

それらの作品は、慈悲的で、死への眼差しを伴った観察の記録であり、失った存在を受容するためのセルフ・リフレクションともいえます。

Maki Fine Artsでは初めての個展となるこの展覧会では、2014年から現在進行形で取り組む作品「蘇生するユニコーン」の、新たな実践のプロセスが提示されています。

想像上の生物であるユニコーンの実在化を試み、骨格・内臓・筋肉・皮膚などを緻密に制作、肺と心臓に生命維持装置をつなぎ合わせ、まるで生命を宿したかのような存在として出現させます。

本展ではユニコーンに加えて、その身体の深部までを辿り、表皮、臓器、神経、血管、筋肉、骨格の設計図も展示されました。

拡張し続ける、平野真美のライフワークとしてのプロジェクトを見ることのできる展示となりました。

MAKI FINE ARTS