2023年 10月 18日TRAVELING FOR ART
FUYUHIKO TAKADA
江戸川橋にあるギャラリーWAITINGROOMにて、高田冬彦の個展『Cut Pieces』が開催されました。
高田冬彦は、おとぎ話や神話を下敷きに、ジェンダー、セクシュアリティ、孤独、ナルシシズム、トラウマといったテーマを横断的に扱った映像作品を制作しています。
この展覧会では、最新作『Cut Suits』に加え、昨年末アメリカで開催されたアートフェア「NADA Miami 2022」で話題を集めた『The Butterfly Dream』を日本初披露するほか、近作の『Dangling Training』も発表されました。
近年の高田冬彦は、男性身体をモチーフにしつつ、そのイメージを遊戯的な発想で揺るがせていくような作品群に取り組んでいますが、今回の個展でもそうした興味を継続・展開させています。
特に、この展覧会のための最新作『Cut Suits』は、複数の男性モデルがスーツをハサミで切るパフォーマンスをとらえた作品で、パフォーマンスは6名の演者の手に委ねられています。
また、実際に使用した小道具の展示に加え、作中のイメージが展示空間まで広がったようなインスタレーション的表現など、より空間的、彫刻的なアプローチに挑戦しています。