GERHARD RICHTHER

エスパス ルイ・ヴィトン大阪にて4月17日までドイツ人アーティスト、ゲルハルト・リヒターの展覧会「Abstrakt」が開催されています。

世界各地のエスパス ルイ・ヴィトンで展開される「Hors-les-murs (壁を越えて)」のプログラムの一環として企画されたこの展覧会では、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵作品から選び抜かれた作品が展示されます。

ゲルハルト・リヒターは旧ドイツ民主共和国の一部であるドレスデン近郊のノイシュタットに誕生しました。

2次世界大戦中はポーランドのボガティニアで育ち、その後、チェコとの国境近くにあるヴァルタースドルフに移り住みます。

劇場画家として働いた後1951年にドイツのドレスデンの美術大学に通いはじめ、文化統制が敷かれた当時の極めてアカデミックな教育を受けました。

デュッセルドルフ美術アカデミーで抽象画家カール・オットー・ゲッツの下で学びながら、ジグマー・ポルケとコンラート・リュークと親交を結び、共に1963年に廃店舗で初の展覧会を開催しました。

ゲルハルト・リヒターは、1960年代初めに、初期の展覧会で主張した「資本主義リアリズム」の精神に則って、絵画と芸術の目的を問い質すために、写真を用いるようになります。

2次世界大戦の経験は彼にとって消えない印象を残し、写真は、政治と歴史が個人的領域に直接的影響を及ぼす主題に向き合うために必要な距離感をもたらしてくれるように思えました。

キャリア全体を通じて、新聞・雑誌の写真、および愛する者の写真や家族写真を含む、自身で撮った写真を描き写しています。

また並行して、カラフルなグリッドや、アクションペインティング、モノクロームを組み合わせた抽象形式を編み出してきました。

今回の展覧会では写真を用いた作品、抽象的な絵画作品、ストライプペインティングが展示されてゲルハルト・リヒターの制作活動の片鱗を垣間見ることができます。

 

ESPACE LUIS VUITTON