GRAHAM LITTLE

416日まで六本木にあるタカ・イシイギャラリーにてイギリス人アーティスト、グラハム・リトルの個展が開催されました。

グラハム・リトルの作品は日本およびアジアで今回が初公開となりますが、2017年から2022年に制作された新作を含む11点の作品が展示されました。

優美で物悲しい、淡色調のグラハム・リトルの作品は、1980年代半ばにリトルが初めて雑誌『ヴォーグ』を手にしたことから生まれました。

その雑誌を飾る、慣習的な美しさと自信に満ちた女性たちの表現にグラハム・リトルは特別な関心を抱きました。

それ以来、ロンドンを拠点にしながらヴィンテージのファッション誌のイメージを、鉛筆やグアッシュで数ヶ月かけて入念に再現する作品を制作しています。

丹念に描かれた超現実的なコンポジションの作品は、まるで夢のなかにいるような感覚や、美の認知について問いながら見る者と見られる者の関係性を探求します。

また、それらは男性の視点によって規定された「女らしさ」にも疑問を呈し、さらには美と腐敗、空虚と存在、脆弱さと力強さ、生きている肉体とそれが占めている空間など、小さな作品からは緊迫した二項対立をも垣間見ることができます。

TAKA ISHII GALLERY