ITOKAI

有楽町にあるギャラリー、CADAN有楽町にて、「糸会」というグループから、スプラウト・キュレーションの尾関諒、Takuro Someya Contemporaryの伊勢周平の2人の30代の画家による作品が2つの部屋でそれぞれ個展形式で紹介されました。

尾関諒の絵画に、派手なスペクタクルはおろか、メッセージや自己省察的な物語性は見当たりません。

しかし朧気に素っ気なく描かれた図像の合間に広がる細部にひとたび目をやると、微細な色の粒子がオブジェクトとなって独特な質感の肌理を形成し、画面全体に豊かな抑揚をもたらしていると分かります。

伊勢周平は不乾性オイルを用いた絵の具の開発や、アトリエに溜めた未完の絵画へ数年を経てから加筆するといった行為により、画面があくまで伊勢周平の積み重ねてきた筆致の歴史となることを目指してきました。

30代という若い二人の画家のそれぞれに個性的で繊細かつ力のある絵画作品が際立つ個展となりました。

CADAN