JULIAN OPIE

神宮前にあるギャラリー、MAHO KUBOTA GALLERY にてジュリアン・オピー の個展が開催されています。
この展覧会は、ダンスを主題とした5点の映像作品と8点のペインティングによる新作展です。

文明が生まれる前の先史時代、人類は言語の獲得より早く、ダンスをコミュニケーションの手段とした可能性があると言われています。

体を揺らしリズムを刻むダンスという身体表現は、個が共同体に結びつくためのごく自然な動きでした。

単純なリズム動作を繰り返すことによって生まれる一体感と高揚感は現代においても多くの人々が経験したことのあるダンスの魅力です。

ジュリアン・オピー はこれまでも「歩く人」「ポーズをとる人」「走る人」「ポールダンサー」など、現代社会における人間のふるまいを主題として時代のシーンを切り取る鮮やかな作品を生み出してきました。

それは、太古の昔から人々が絵画や彫刻作品として表現してきた人間の様々な営み、すなわち「人が生きるということ」を私たちの時代において手に入る材料によって提示するという試みなのです。

実際の人から動きを落とし込んだシンプルな線画の踊る人物たちの映像の中を見ていると思わずその動きに引き込まれてしまうようです。

MAHO KUBOTA GALLERY