MAKOTO AIDA

市ヶ谷にあるMIZUMA ART GALLERYにて8月28日まで会田誠の5年ぶりとなる個展「愛国が止まらない」が開催されています。

本来は2020年のオリンピックに予定されていた展覧会がその延期に伴って2021年に開催されることとなったこの展覧会は3つの作品テーマで構成されています。

まず会場を埋め尽くすのはMONUMENT FOR NOTHINGシリーズの5作目である「日本の祭り」という巨大な立体作品ですが飢餓に直面することが多かった旧日本軍の兵隊をねぶた祭りの手法で制作しています。

壁面には新作絵画のシリーズ「梅干し」が並びますが沢山の梅干しが油彩で描かれたこの作品群は日本人に偏愛される食べ物の代表としての梅干しへの作家の特別な感情が表されています。

そして会期が延期されたことでもう一点追加された作品が「漬物」を題材に据えたコンセプチュアルな作品です。

日本人のアイデンティティーを作品テーマに組み込むことが多い会田誠らしい独特の視点の作品が見応えのある展覧会となっています。

MIZUMA ART GALLERY