MAO ISHIKAWA

初台にある東京オペラシティーギャラリーにて沖縄を拠点としながら精力的な制作活動を続ける写真家・石川真生の展覧会「私に何ができるか」が開催されました。

作家活動の初期からの主要な作品を始め、2014年から取り組んでいる「大琉球写真絵巻」の新作を中心に展示されたこの展覧会は、石川真生の実像に迫る個展となりました。

石川真生の作品は、2004年の横浜美術館でのグループ展「ノンセクト・ラディカル 現代の写真III」において、沖縄以外の美術館で初めて紹介されました。

以来、国内外での数多くの展覧会を経て、2021年には沖縄県立博物館・美術館にて回顧展「石川真生:醜くも美しい人の一生、私は人間が好きだ。」が開催されました。

本展は回顧展で示された成果も踏まえつつ、東京で初めての個展として開催されました。

石川真生は沖縄を拠点に、旧日本軍、自衛隊、米軍に関わりのある人物や出来事を取材し、国内外を問わず精力的な撮影を行ってきましたが、共通しているのは、あくまでも個々人の人間性を見つめ、被写体に接近するその独自のまなざしです。

近年では、〈日の丸を視る目〉を契機とした、〈森花―夢の世界〉〈大琉球写真絵巻〉など、創作写真ともいわれる作品を発表し、被写体との信頼関係を基盤にした作品作りは変わらず、いまもなお新たな制作に向けて取材を続けています。
この展覧会では、1970年代の初期に発表していたプリントにはじまり、現在に至るまでの写真家活動を振り返りますが、近年最も注力を注いでいる〈大琉球写真絵巻〉の近作、最新作を含めた総数約170点もの作品が紹介されました。

TOKYO OPERA CITY GALLERY