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東京オペラシティーギャラリーにあるproject Nにて土井沙織の個展「到来するイメージと意識の変容」が開催されました。

土井沙織は、自然のなかに生きる動物や人間の姿を、呪術的、神話的に描き出します。

日本画を学んだ土井沙織の独自の表現の背景には日本画の素材、技法への優れた理解があります。

しかし、最近では日本画からの決別を意識し、石膏で塗り固めた寒冷紗を支持体にして、工業用の顔料を用いるなど、素朴で無骨なもの、根源的なものへの表現に向かっています。

今回の展示作品では、一人の女性と、猛禽類や狼、熊などの動物、薄ら笑いを浮かべる異形の者との関係性が主に描かれています。

画面に描かれる独特のマチエールを持った絵の具の質感、大胆な構図、鮮烈な色彩など土井沙織の表現する絵画世界は見るものに迫ってくるようです。

PROJECT N