MARIA FARRAR

六本木にあるオオタファインアーツ7CHOMEにてマリア・ファーラの近作と現在の作風に至る以前の旧作4点が紹介されました。

この展覧会は2023218日より水戸芸術館現代美術センターで開催されるグループ展「ケアリング/マザーフッド:「毋」から「他者」のケアを考える現代美術ーいつ・どこで・だれが・なぜ・どのように?ー」への出展を記念して開催されました。 

マリア・ファーラが描くのは、日常でふと目にした場面や記憶の断片から描き出される新たな情景です。

通りのパン屋を覗く女性、窓越しの庭、鏡台に散らばる化粧品―など、切り取られた一瞬は具体的でありながら、とらえどころのない浮遊感と広がりを感じさせます。

人物の太い輪郭線、書道的な筆の払い方、かすれ・にじみ、それらとコントラストをなす繊細な細部描写など多彩な筆使いが混在することで、画面にリズムをもたらしています。

そうして浮かび上がる愛らしいモティーフは、それぞれの場所で独自の存在感を放つのです。

7CHOME