MASTER DRAWINGS

上野にある国立西洋に術館にて、「スェーデン国立に術館 素描きコレクション展」が開催されています。

1792年、ストックホルムに開設されたスウェーデン国立美術館は、世界で最も古い美術館の一つです。

中世から現代にいたる美術・工芸品やデザインを幅広く収蔵し、なかでも素描(ドローイング、デッサン)については、質・量ともに世界屈指のコレクションを擁しています。

この展覧会では、ルネサンスからバロックまでの名品約80点を同コレクションから素描を選りすぐり、イタリア、フランス、ドイツ、ネーデルラントという地域別の4セクションより紹介しています。

素描は時代や地域はもとより、画材や技法、制作目的によって多彩な表情を見せますが、その魅力はまずなにより、作者との親近感、すなわちその思考や手の痕跡が直接感じ取れる点にあります。

それと同時に、繊細で軽やかな造形性もこのメディアならではのものです。

素描は環境変化に対して脆弱であるため、展示には制約がつきまとい、ゆえに世界有数のコレクションを一堂にご紹介する企画は、きわめて貴重なものと言えるでしょう。

この機会に、デューラーやレンブラントをはじめ、美術史上における大スターたちの素描がもつ様々な魅力を堪能しましょう。

巨匠たちの技量や表現力に圧倒されるに違いない一方、さほど馴染みのない作家たちの作品の中にも、お気に入りを見つけられるかもしれません。

NMWA